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目次

はじめに

ここ数年、糖質の摂り方について話題になっています。
「糖質制限」、「炭水化物抜き」、「主食抜き」、「低GI」、「ロカボ」などなど。
専門家の中でも意見の分かれている糖質の摂り方ですが、結局のところ、どれがいいの?どれがよくないの?と分かりにくいと感じると思いませんか?

カロリー/主食/炭水化物/糖質は何が違うの?

「○○制限」や「○○抜き」とはいうものの、何かを制限したり食べなかったらいいわけですが、その「何か」は何なのか?
似ているようでちょっと違う上記4つの違い、あなたは分かりますか?

以下にこれらについての概要を紹介します。

カロリーの定義

「聞き慣れ度」は高いと思われるカロリーですが、「ダイエットにはカロリー制限!」こんなフレーズも結構なじみがあるのではないでしょうか。
カロリーとはエネルギーの単位のひとつで、1カロリー(1Cal)は1gの水の温度を1℃上げるのに必要な熱量のことです。1000カロリー(1000Cal)で1キロカロリー(1kcal)になります。カロリー、カロリーって言っていますが、食べ物の熱量には「キロカロリー(kcal)」が使われています。
アトウォーター係数(食物の利用可能なエネルギーを計算するために使われる係数)では、炭水化物、タンパク質は1gあたり4キロカロリー、脂質は9キロカロリーとなっています。

主食とは

「ごはん」「おかず」「汁もの」などの言葉の堅苦しい言い方のひとつという感覚でいいかと思います。
主食・・・穀物、いわゆる「ごはん」の部分、パンや麺類も含む
主菜・・・肉、魚、卵など、いわゆる「大きいおかず」の部分
副菜・・・野菜、果物など、いわゆる「小さいおかず」の部分
献立を立てる時に主食、主菜、副菜をそろえるとバランスのよい献立が立てやすくなります。

主食は下図で示す3つの食品群でいうと黄色になります。

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[図1]3つの食品群と主食、主菜、副菜の関係


ただし、この図を勘違いして油脂を主食として食べているかというと、そういう食べ方はしませんが、油脂=主食ではありませんが、3つの食品群に分類すると油脂もエネルギーになる役割が大きいので黄のグループに入ります。


「食品ロス統計調査報告(世帯調査) 平成26年度」に、このようなデータがありました。
[表1]1週間に調理、飲食した料理・食品の出現回数(1世帯当たり) 
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この表によると、朝はパンが人気のようです。
ちなみに、朝食にパンかごはんかどちらを調理、飲食したかを年齢別に見たデータがあります。

[表2]朝食時に調理、飲食した料理・食品の出現回数(食事管理者の年齢階層別-1世帯1週間当たり)
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年齢が上がるとパンよりごはんというイメージがあると思いますが、この表によるとそんなことはないようです。

炭水化物とは

「主食」のところで出てきた「炭水化物」は、炭水化物の分子式は「CmH2nOn」です。 
「Cm(H2O)n」と表すと炭素に水が結合した物質のように見えるため炭水化物と呼ばれています。

炭水化物の中でも、炭素(C)の数によっての分類があり、単糖類、二糖類、少糖類、多糖類などがあります。
これらについては、後程、簡単に紹介します。

さらに、炭水化物の性質によっても分類がされています。
・ヒトが消化できる炭水化物→糖質
・ヒトの消化酵素で消化できない炭水化物→食物繊維
一口に「炭水化物」と言っても、実は奥が深いのです。

さて次は、炭水化物の炭素数での分類です。

単糖類:これ以上加水分解しない最も簡単な糖

炭水化物の最小単位で,、三炭糖~七炭糖まであります。
六炭糖のグルコース(ブドウ糖)やフルクトース(果糖)は耳にしたことがあるかと思います。
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二糖類:単糖が2つ結合したもの

例えば、グルコース(ブドウ糖)が2つくっつく(α1-4結合)とマルトース(麦芽糖)になります。
マルトースの例は水飴があげられます。
ただし、ちょっとくっつき方が違うと(β1-4結合)、セロビオースという別の物質になります。
このくっつき方でたくさんくっつくとセルロースになります。
セルロースは植物の細胞壁の成分です。
そう、食物繊維です。つまり不溶性食物繊維です。
ヒトは、α1-4結合を分解することはできますが、β1-4結合は分解できないのです。
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そして、グルコース(ブドウ糖)とフルクトース(果糖)がくっつくとスクロース(ショ糖)になります。
スクロース(ショ糖)の例は、砂糖です。
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さらに、ガラクトースという単糖とグルコース(ブドウ糖)がくっつくとラクトース(乳糖)になります。
これは、牛乳を飲むとおなかがゴロゴロするという症状の原因です。
ラクトース(乳糖)を分解するラクターゼの働きが弱いと、ラクトース(乳糖)が処理しきれず、おなかがゴロゴロしてしまうのです。いわゆる乳糖不耐症です。
ただ、ラクトース(乳糖)は腸内乳酸菌の栄養源となり増殖させて腸の調子を整える作用もあります。
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少糖類:

単糖が2~10個結合したものでオリゴ糖とも言われます。
前述のラクトースのように腸内細菌の栄養源になるものが多いです。

多糖類:

単糖が10個以上結合したもののことを言います。一般には100個以上結合した高分子化合物です。

種類
構造多糖 植物の細胞壁(セルロース)や、甲殻類の殻(キチン)など
貯蔵多糖 体内などに蓄えておく糖
複合多糖 複数の種類の単糖などが結合している
単純多糖 1種類の単糖のみでできている
植物性貯蔵多糖 でんぷん:ブドウ糖が多数結合したもの。
直鎖状のアミロース、分岐鎖状のアミロペクチンがある

補足ですが、植物性貯蔵多糖は、水を加えて加熱すると糊化し、粘性を持っています。
うるち米はアミロースとアミロペクチン、もち米はアミロペクチンのみからなります。

最近は品種改良で低アミロース米があり、うるち米ではあるものの、もち米よりなのでもちもち感があります。
アミロース:α1-4結合、デンプンの成分、植物性
アミロペクチン:α1-4結合(α1-6結合の分枝)デンプンの成分、植物性
グリコーゲン:α1-4結合(α1-6結合の分枝)、動物性
セルロース:β1-4結合、植物性、人は消化できない


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糖質とは

糖質は、実は炭水化物の中で出てきました。
糖質とは、ヒトが消化できる炭水化物のことです。
ヒトの消化酵素で消化できない炭水化物は食物繊維です。

ちなみに、「低GI」とは、グリセミックインデックスの低い食品のことで、グリセミックインデックスが低い食品は血糖値が急激に上がりにくいのです。
血糖値を急激に上げるから太るので、急激に上げなければ太らないという考え方のようです。
「ロカボ」とはローカーボ(low carbohydrate)つまり低炭水化物ということです。

まとめ

これまで、カロリー/主食/炭水化物/糖質についての定義を紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?おそらく、これらの違いがをよく理解せず曖昧なままでこれまで過ごされてきたのではないでしょうか?
このような違いを正しく理解することで、「糖質制限」の良し悪しについて、次回は紹介していきます。

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