目次


はじめに

2018年3月30日、文部科学省より
「小学校プログラミング教育の手引(第一版)」の公表について(http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/30/03/1403192.htm)
という、2020年度(平成32年度)から実施される新小学校学習指導要領における小学校でのプログラミング教育の手引きが公表されました。
このような方向性になることは近年わかっていたことから、最近では、プログラミング教育の題材となるソフトウェアやRaspberry Piという小型の汎用コンピュータを使ったプログラミング環境が世の中に出始めました。

筆者は、大学の頃からFreeBSDやLinux上でFortranやPascalそしてC/C++を使ってきており、20年以上の経験がある根っからのプログラマです。
現在の職業もシステム開発とソフトウェア開発を行っていることから、パソコンはもちろん、幾つものプログラム言語を使ってソフトウェア開発を行っています。

このような背景もあり、また、筆者には2018年5月現在で3才と5才の2児の親であることもあって、我が子のパソコン・プログラミング教育の環境をそろそろ真面目に作って取り組んでいこうと考えました。
 

パソコン・プログラミング環境の選定

子供向けのパソコン・プログラミング教育を行うに当たって、まず必要なのは「子供がコンピュータを使う事ができる環境」です。
少々のお金をかければ、例えば
「KANO Computer Kit」https://kano.me/store/row/products/computer-kit
のようにRaspberry Piに専用のOSと教育用アプリケーションを載せたものが簡単に手に入ります。

しかし、筆者が考えるに、このような教材的なものは、子供に合うかどうかやってみないとわからないところもあって、いくらかリスクがあるように思えます。
例えば、子供は最初は新しいものや珍しいものにはすぐに食いつきますが、すぐに飽きてしまったり、思うようにいかないとやらなくなったりしてしまうこともあります。
せっかく良いものを買っても活用されなければもったいないものです。


Edubuntuの概要

このようなこともあって、筆者は、やはり自身が経験してきたFreeBSDやLinuxなどの無料のオープンソースでパソコン・プログラミング教育の環境が作れないか?と考えました。
そんな中で見つけたのがEdubuntuという教育に特化したパッケージを集めたLinuxのディストリビューションです。
Edubuntuは、Ubuntuというディストリビューションの一員であり、基本的にはUbuntuに教育用のパッケージが添付されたものです。
参照:Wiki:Edubuntu(https://ja.wikipedia.org/wiki/Edubuntu)

Ubuntu自体は、比較的古く低スペックなパソコンでも適用しやすいこともあり、今回は、筆者が2008年くらいに手に入れた「HP mini1000」という古いネットブックに導入することにしました。
この「HP mini1000」は、小学校以前の子供向けとも言って良い小さくてコンパクトなパソコンです。最近のパソコンは性能が非常によくなってきており、このような古いパソコンは使い道がなく、廃却しようと思っていたのですが、今回は教育用のパソコンとして復活させてみようと考えました。

実際にインストールして触ってみた感触としては、OSの起動やアプリの起動に少々の待ち時間が必要ではあるものの、目的の教育用パッケージは問題なく動くことがわかりました。
今後、数回にわたって、Edubuntuのインストール手順や教育用パッケージの概説を行っていきたいと思っています。

単なる教育では終わらせたくない

筆者が痛切に思うことは、このような教育環境が、「単なる教材」や「知育ゲーム」で終わってほしくない、ということです。
Edubuntuを選択した理由は、パソコンやプログラミング教育の域を卒業した後に、Linux環境を使いこなして本物のプログラミングができるというところに最大の魅力があると考えています。
Edubuntuを卒業する頃には、筆者の本業のような本職レベルに到達していることを期待しています。


まとめ

今回は、子供向けパソコン・プログラミング教育のパソコン環境としてEdubuntuを選んだ経緯とEdubuntuの概要を紹介しました。
次回は、Edubuntuのインストール手順を紹介します。